入院3日目(術後1日目)

入院生活

手術の翌日、ICUを出て家族が待つ病室に戻ります。
記憶が全然ないので、たぶんストレッチャー的なもので運ばれています。
昨日のものだと思った痰吸引の記憶はここかな?
何時?と聞いて10時、と返事を聞いた気もするけどかなり曖昧。
病室に入ったのは昼頃だったそう。

頭はヘッドギアのような包帯がきつく巻かれていて苦しい。
全身麻酔で気道に挿管していた影響で、何かしゃべろうとしても声が出ない。
でもどうしても看護師さんに聞きたいことがある……!
こんなこともあろうかと、筆談用にメモを持っていました。
自分ではちゃんと書いているつもりなのにまっすぐ文字が書けない。
何度も書き直してようやく看護師さんに見せたのがこちら。

術後に書いたメモ

「きずにばいきんはいらないですか」……?
なぜこれを聞きたかったのかは全く不明。でもなぜかそのときは聞かなきゃ!と必死でした。
自分では意識がはっきりしているつもりでしたが、実際は麻酔の影響でかなりぼんやりしていたんだと思います。

程なくお昼ご飯の時間。
起き上がって、家族が吸い飲みに詰め替えてくれた流動食を飲み込もうとしますが、盛大に咳き込む。
そして突然の猛烈な吐き気。
口の中に血の味が広がります。
手術中に飲み込んでいた血が出てきました。血は消化されないので吐き気を催してしまうそうです。
食事はあきらめて、また朦朧と横たわる時間。
しばらくしてまた起き上がってみると、再び猛烈な吐き気が襲ってくる。
術前の麻酔科の診察で、あらかじめ吐き気止めを使ってもらうことになっていましたが、どうにもならないことってあるんですね。

午後に突然現れた謎の医師により、ヘッドギア包帯が外されます。
初めて見る若い先生だったので、自己紹介とかあったんでしょうけど何も覚えていません。
目周辺の圧迫感は少し減ったかな……?

目といえば、視力に異変がありました。
もともと近視なのですが、術後明らかにいつも以上に視界がぼやけています。
視力の左右差が広がっている感じ。
食事に添えられている献立表も、顔を近づけて片目で見るとやっと字が読めるという状態。
びっくりして理由を聞いてみると、腫れが目の周辺を圧迫して見え方が変わっているので、心配ないとか。
術後辛くてもテレビや動画を眺めて気を紛らわすことはできると思っていたので、これは大誤算。
まあ、もし見えていてもそんな余裕はなかった気もしますが。

そうこうしているうちに夕食の時間ですが、これははなからパス。
食べていなくても、口の中の衛生状態を保つためウォーターピックを使います。
ベッドから離れられないので洗面器で受け止めて。
起き上がった時の吐き気は治まってきましたが、痰というか血というか、止めどなく出るので吸引器のチューブが手放せません。

面会時間が終わって家族が帰宅し、一人の夜が始まります。
正直、全く眠れません。
痰を吸引器に吸わせて、なんとなくの気持ち悪さに吐き気止めを点滴で入れてもらい……。
一番きつかったのは、横になっている時の、のどと鼻の奥の方で血が固まるような感覚。
触られると「オエッ」とえずくような場所に常に何かがあるように感じます。
いっそ口の方に移動させて吸引器に吸わせようと、圧をかけてみますが、
プレートとネジで留めている骨が動いてしまうんじゃないかという不安。
それでもえずきに耐えられず、溜まっているものを出そうと力を入れると、鼻血まで出てくる。
頼みの綱の、ナースコール。
現れた看護師さん、「鼻から吸引しましょうか」。
絶対しんどいやつ!!! でもそれ以外の選択肢がない!!!
鼻から容赦なくチューブを入れられ、ズルズルっと。
苦痛に思わず口が大きく開きます。これはダメー!

それでも、スッキリとまではいかなくても、えずきは何とか治まりました。
でも鼻の奥が痛い。
これがこの夜もう一回あり、すっかり吸引恐怖症に。
少しでも眠ろうと目を閉じると、白黒の幾何学模様から出てきたたくさんのチューブがうねうね動くという悪夢を見ます。
高速で動くチンアナゴのイメージ。
今考えると馬鹿馬鹿しいけど、当時は本当に気持ち悪かった。
もう一つ、頭蓋骨が誰かの手でこねくり回されているような感覚を伴う悪夢も何度も見ました。

あと、水分を点滴でしかとっていないので、痰が全然切れません。
大きな声で「カーッ」とずっと言っていてさぞうるさかったことでしょう。
ご迷惑をおかけしました。
何とか朝を迎えますが、それで何かすぐに良くなるわけもなく。続きます。

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